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訪問販売は、悪質業者が不当に高額な商品を売りつける際に用いる勧誘手口の王様です。
もちろん、“訪問販売=悪徳商法”とは言えませんが、この販売形態により被害を受けた消費者が多いというのは紛れもない事実であります。
さらに、水道局、消防局等の公的機関あるいは行政もしくは不動産管理会社からの委託を受けた業者であるかのように振舞って消費者をそのような錯誤に陥らせ、消費者が信じ込んだところで民家に上り込み、高額の商品あるいは工事等の契約を結ばせる“かたり商法”または、「水質検査でこの周辺の居宅を回っております」との名目で民家に上り込み、「塩素等の薬品成分が多く溶け込んでいる水道水は体によくない」等と言いつつ、高額の浄水器を購入させるといった“点検商法”と呼ばれるものも訪問販売をベースとしたものであります。なお、これらは併用されることが非常に多いです。
このような被害発生の温床となり易い訪問販売による取引については、法令上も「特定商取引に関する法律」でクーリングオフ制度の認められるトップバッターとして位置づけられており、一定内容の書面(通常は“契約書”“申込書”等)を業者から交付された日から8日間はクーリングオフによる契約の解除権が認められているわけです。
ただ、クーリングオフは訪問販売による取引であれば何でもかんでも認められるわけではありません。対象となるものが、経済産業省の出す政令でいわゆる“指定商品・指定権利・指定役務”とされているものに含まれていることが要件となります。また、“3,000円未満の商品で現金で既に支払済みのものであった”“営業のためもしくは営業として取引した”“指定消耗品につき既に使用・消費してしまった”“消費者が自ら業者を自宅に呼び寄せた”“過去1年以内に1回(店舗を持たない業者の場合は2回)以上取引されている”“国外の業者と取引した”等の事情がある場合もクーリングオフの適用除外となります。
訪問販売業界では、“玄関に入るまでが勝負”と言われているそうですが、彼らにはそれほど高度の販売ノウハウがあるわけですから、いったん話を聞いてしまったら、ついつい上手く乗せられて契約をしてしまうということもおかしいことではありません。しかし、クーリングオフ手続をきっちり行わなければ、それによる経済的負担は後々重く圧し掛かってくるというのも確かです。
したがって、もしそのような取引をされて悩んでおられるようであれば、まずはいったん契約を白紙に戻しておき、それから冷静にじっくり時間かけて考えて、改めて同様の契約を交わされても遅くはないと思います。まさにそれこそが“クーリングオフ(=頭を冷やして冷静に考える)”の趣旨にも適うことと考えられます。 |