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クーリングオフの利用が認められない場合であっても、直ちに解約手続そのものを諦める必要はありません。法は、一定の事情が存在することを条件に、クーリングオフ以外にも解約の手段をいくつか置いてくれています。その1つが、“契約を取消す”というものです。
1.消費者契約法に基づく取消
まず、消費者契約法に基づく取消権を利用する方法があります。
具体的には、勧誘時において、(1)重要な事項について告げられていなかった、(2)不確実な事項について断定的な判断の下に情報を提供されていた、(3)消費者に利益となる事実のみ告げ、不利益となる事実は故意に告げず、これにより当該事実が存在しないものと誤認した、C消費者が、住居等から退去することを求めたのに業者は退去しなかった、D消費者が、勧誘を受けている場所から退去する旨の意思を示したのに退去させなかったといった事情がある場合、消費者契約法に基づいて契約を取消すことが可能です。
ただし、この場合の取消権は、追認(法的に有効なものと確定させる意思表示)できるときから6ヶ月、契約時から5年と期間制限が設けられていますので注意が必要です。
2.特定商取引法に基づく取消
特定商取引に関する法律でも取消事由が新設され(平成16年11月改正)、(1)、(3)と類似の規定が置かれました。
しかし、上記(1)、(2)との違いは、上記(1)が“重要事項”に関する不実の告知に限られていたのに対し、“契約を締結するか否かに影響を及ぼす事情”に関する不実の告知にまで範囲が拡大されているほか、上記(3)が“利益となる事実のみ告げ”ていることが必要だったのに対し、単に不利益となる事実を故意に告げなかった場合にまで要件が緩和されているところにあります。
ただし、この場合も消費者契約法に基づく取消権の場合と同様、追認(法的に有効なものと確定させる意思表示)できるときから6ヶ月、契約時から5年と期間制限が設けられていますので注意が必要です。
3.民法に基づく取消
民法上でも、契約を取消すための規定がいくつか置かれています。
まず1つめは、詐欺・強迫による意思表示に基づき契約の申込もしくは契約を締結した場合です。
これは民法上規定されているものですが、詐欺・強迫等を他者から受けたことにより契約の申込等を行った場合、かかる意思表示には法的な瑕疵(いわゆる“キズ”という程の意味)があると考えられ、法律上無効とまでは言えないまでも、そのような意思表示をした者は契約を取消すことができるものとされています。
その他にも、未成年者が親権者の同意なく契約をした場合、被成年後見人が単独で契約をした場合、被保佐人が一定の重要事項につき保佐人の同意なく契約した場合、被補助人が指定事項につき補助人の同意なく契約した場合も、原則としてその契約を取消すことはできると規定されています。
ただし、これら民法上の取消権も期間制限が設けられており、その契約を追認できるときから5年、契約時から20年と定められております。
しかし、これらの取消権を利用する場合、取消事由の存在そのものを相手方が争ってきたときは契約取消を主張する者がその存在を立証する必要があり、クーリングオフと比べて即効性のない場合も多々ありますので、その点十分ご留意下さい。 |